大人になって、食べ慣れたもののおいしさに
改めて気づくことがある。自分にとっては
「えご」がそれだ。
酢みそを付けて口に運ぶと磯の香りが
ふんわりと広がり、飽きることがない。
幼い頃から親戚が集まるお盆には毎年、
自家製のえごがごちそうとして食卓に上がった。
地味なのに、なぜこれがごちそうなのか。
自分で練ってみて、合点がいった。
エゴノリ(エゴグサ)を水に浸して細かな
ごみを取り除き、煮溶かしてから弱火で練る。
鍋に付きっきりで1時間。真夏に汗だくで
作る手間を考えれば、やはりごちそうに他ならない。
それが本県で受け継がれてきたのは、
エゴノリが採取できる豊かな海岸があったからだ。
これから先も、えごは郷土食として県民の
食卓を彩り続けていくことができるのか。
エゴノリに限らない。本県の岩礁性の海岸には、
モズクやアカモク(ナガモ)、ホンダワラ
(ギンバソウ)が繁茂する藻場が広がり、
食卓と直結している。
藻場は「海の森」とも呼ばれ、海水の浄化や、
新たな二酸化炭素(CO2)の吸収源としての機能も
注目され始めている。
しかし海水温の上昇による磯焼けや開発の影響で、
減少が全国で指摘されている。
文字通り「水面下」の環境は変化に気付くことも
取り戻すことも容易ではない。食を通じて身近な
海の森にも意識を向けたい。
(論説編集委員室次長・高橋直子)
お客さまから教えていただきました!
お客さまのお友達が新潟日報にお勤めで、
えごのことをコラムに書かれたとのこと。
そして、記事を見せていただきました。
さらに、ご本人に載せても良いか確認まで
してくださいました!涙
ありがとうございます!
実際、えご草が全然採れない、という
年、産地もあります。
自然相手のものだから、
モズクも沢山採れる年と、
採れない年があったりして。
採れないときは、
採れてもモノがあまり良くなかったり。
自然相手ですが、
その自然を人が変化させてしまって
いるのかもしれません。
そして、その変化は今すぐに表れるもの
でもなくて、何が影響しているのか
分からないこともあったりして。
食べられるときに食べておかないと、
ってことにならないように。
いつでも食べられるくらい、
毎年採れますように。
そのためには、普段の生活の見直しを。
そうすればきっと。
乾物屋の今井商店 若林